令和になってから徳之島の北部・金見集落に新しく「ジビエカフェ とうぐら」がオープンしました。
金見崎展望台付近の高台に建つ小さなお店で、「金見あまちゃんクラブ」という金見の地元の人たちが運営しています。
「あまちゃん」とは島の言葉で「お母さん」という意味があるのですが、その他にも梅雨明けの頃に金見に産卵にやってくる「オカヤドカリ」を意味する「アマン」、たくさんの方たちが訪ねて来てほしいという願いを込め「あちらこちら」を意味する「アマクマ」から文字を取り名前が付けられました。
「ジビエ」と付いているので、何が食べられるのだろう?と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、とうごらでは、イノシシの肉を使った料理を提供しています。
さとうきびやたんかん、落花生などの畑を荒らし害獣として駆除されたイノシシの肉を使っているので、飼育されている猪とは一味違います。
徳之島の郷土料理がベースになったイノシシ肉の定食は、とうぐらでしか食べられない珍しい料理です。
店内からは紺碧の海を眺める絶景
店内は木をふんだんに使った造り。座席は囲炉裏を囲った畳の席と、紺碧の海を眺めながら食事ができるカウンター席があります。
座席は約15席と少ないので、たくさんの人数で訪れる場合は予約必須です。
実際に席に座ってみると、手つかずの自然が見渡せます。目の前の海には、冬になるとクジラやイルカがやってくるのだとか。席からもその姿や潮を吹く様子が見られます。
晴れた日には外にある手作り感満載の茅葺屋根のテラスもおすすめです。ここでも10名くらいが座れます。
ジビエカフェ「とうぐら」のメニュー
メニューはシシ肉を使った5種類のみ。なかでも一番人気なのがあまちゃん定食。
シシ肉のカツに落花生ごはん、季節の野菜のてんぷら、酢の物、漬物、みそ汁、サラダ、デザートがセットになったボリューム満点の定食です。
落花生が苦手な人は白いご飯にも変更ができます。カツが苦手な人は、カツを煮込みハンバーグに、みそ汁をコンソメスープに変更可能です。
シシ肉ってクセがあって苦手な人もいると思うのですが、とうぐらのシシカツはクセがなくて食べやすいです。
調理をする前日からしっかりと下味を付け、お肉が硬くならない工夫がされています。
さらに特製「あまちゃんみそ」を付けて食べると、みそとニンニクの風味が口の中に広がります。ちょっぴりスパイシーなのがクセになる味です。
てんぷらは旬の野菜が使われているので、季節によって変わります。
6月に伺ったときには、ニンジンとお芋のほかに目の前の海で採れた「あおさ」の天ぷらと、金見で育ったらっきょうの天ぷらが付いてきました。
あおさの天ぷらは香ばしくて、磯の風味が楽しめます。らっきょうの天ぷらは初めて食べましたが、サックリとして歯ごたえがありおいしかったです。
2番目に人気なのが、とうぐら丼。
シシ肉の丼ですが、1枚1枚のお肉に厚みがあって食べ応えがあります。お肉は厚いけど、柔らかくてしっかりと噛めて食べやすいです。
サラダと漬物、みそ汁にデザートが付いてボリューム満点。たくさん食べる人でもお腹いっぱいになれる定食です。
そのほかにも、シシ肉の煮込みハンバーグや、シシ肉or島豚の角煮がのった油ソーメン、シシ肉のパテが入った「あまちゃんホットサンド」などのメニューが楽しめます。
小さなお土産コーナーも併設
レジの横には小さなお土産コーナーがあります。
徳之島の定番お土産のみそ豆や、黒糖がまぶしてあるサタマメなど、食べきりサイズのお菓子が揃っているので旅のお供にも最適です。
季節のくだものがおみやげコーナーに並ぶことも!筆者が行ったときは、パッションフルーツが6個も入って550円で売っていました。
かわいいショップカードもあります。
お支払いはPaypayも可能です。
お散歩マップやアクティビティも楽しめる
とうぐらには、金見地区の街歩きマップや、徳之島エコツアーガイドのリーフレット、フリーペーパーの「ほっとくの」など、情報誌も置いてあります。
注文を待っている間に情報収集するのもいいですね。
「金見おさんぽマップ」には、金見の見所や周辺地域の案内が細かく載っていますよ。
また、ジビエカフェとうぐらを運営している「金見あまちゃんクラブ」は、カフェ運営のほかにも、金見集落の街歩きができるエコツアーやSUP体験など、さまざまなアクティビティを行っています。
とうぐらでおなかいっぱいになった後は、ぜひアクティビティも楽しんでみてはいかがでしょうか。アクティビティは予約が必要なので、興味のある方は予約も忘れずに。
とうぐらへの行き方
ジビエカフェ とうぐらの最寄りのバス停は、デマンドバスの「金見地区」です。バス停から、とうぐらまでは徒歩5分。
バス停を左手に海の方向へ進むと、途中で看板やノボリが見えてくるので案内表示にしたがって進みます。
金見ソテツトンネルが見えてきたら、右に曲がって2分ほど直進すると、とうぐらに到着です。