伊仙町立歴史民俗資料館は、2008年に閉校した徳之島農業高校の校舎を再利用した資料館。
徳之島の「自然」「歴史・民具」「考古学」の3つのコーナーに分かれた館内は、コンパクトにまとまっていますが見応え充分。学校の面影を残す内部は懐かしさも感じられます。
伊仙町立歴史民俗資料館への行き方と見どころをまとめました。
伊仙町歴史民俗資料館への行き方
伊仙町歴史民俗資料館があるのは島南部の伊仙町。亀津方面からは車で約30分の距離。
県道沿いにある大きな看板が目印です。ここから資料館へは300メートルほど。
バスの場合は、総合バスの「伊仙中入口」が最寄りのバス停です。バス停から資料館までは歩いて約5分。写真奥に見える3階建ての建物が伊仙町歴史民俗資料館です。
伊仙町歴史民俗資料館の見どころ
動物のはく製や標本を展示した自然コーナー
入り口を入るとすぐに出迎えてくれるのが「自然コーナー」です。徳之島に生息する動物のはく製や標本が数多く展示されています。
イノシシの親子の標本やハブの骨格標本など、派手ではないけれど、普段はゆっくりと観察することはない珍しい展示があります。
当時の様子を学べるむかしのくらしコーナー
むかしのくらしコーナーでは、実際に生活で使用されていたお鍋や食器、桶や農具などのたくさんの民具が展示されています。
こちらは黒糖を作るときに使用されていた「サタグンマ(砂糖車)」です。この車に牛を繋いでサトウキビを絞っていました。
黒糖を作る「サタ(砂糖)タキ(炊く)」の当時の様子も絵で分かりやすく説明されています。
サワラ漁で使われていた木の舟と道具です。こちらも写真とイラストで説明されています。
写真のサワラは1メートル以上あってすごく大きいのですが、こんな大きな魚が徳之島にいるとは驚きです。
写真で見る「祖国復帰運動」
終戦後、徳之島をはじめ奄美群島は米軍統治下にあり、住民による「奄美群島祖国復帰運動」が起きました。
2階へ向かう途中の廊下には、当時の祖国復帰運動の様子が写真で紹介されています。
こちらの方は祖国復帰運動の父「泉芳朗先生(伊仙町出身)」。復帰運動の中心となった人物であり、名誉町民にもなっています。
伊仙町で発掘され遺跡関連の資料も展示
建物の2階には、かつて死者を埋葬するときに墓地まで運んだ「キギョウ」という道具が展示されています。
徳之島町郷土資料館にも似たような物が展示されていますが、伊仙町の資料館では実際に使用していたときの写真も展示されています。
さらに、隣の教室には伊仙町にある遺跡で出土された土器や陶器などを展示。
教室の真ん中には、面縄貝塚から出土した縄文時代後期~弥生時代前期の人骨も展示してあります。インパクトがすごい・・・。
徳之島の自然や歴史が学べる伊仙町歴史民俗資料館。アクセスもしやすいのでぜひ訪れてみてください。