南浜湿原は、ミズゴケが発達した湿原です。微生物のはたらきがよくないため、1年に1mmずつ4mもの泥炭が堆積しています。現在の姿になるまで堆積するのに4千年かかっているんだとか。釧路湿原よりも2mも深く堆積しているそうです。
1周は約1km、約60分。木道がめぐらされており、木道からそれることは禁止されています(1歩で百年分の堆積を破壊してしまうため)。
南浜湿原の入り口の景観。利尻富士が逆さ富士とともに鮮やかに写っています。これは絶景でした!
手前にある小さな池は水深80m。雨水でできた池で、黒く見えるのは草のためです。南浜湿原では、5月末ごろからマイヅルソウ、ワタスゲ、ヤマドリゼンマイなどさまざまな高山植物を見ることができます。
湿原の木道コースをひとまわりしてうると、入口の池の反対側に出てきます。背の高い草に混じって、水辺に咲く小さな花(ツバメオモト)が清らかに咲いていました。
木道のまわりには危険な漆がはえています。そのため、長袖・長い丈のパンツをはいていくことは必須です。また、手袋をしたほうが安全です。ちょっと漆に触れただけでもかぶれて腫れあがってしまうので、細心の注意をはらう必要があります。
木道に向かってはえている漆もあるので、気をつけながら用心深く歩きました。
湿原の木道から利尻山をのぞむ風景です。木々のあいだからのぞく利尻山が見えました。鋭角的で山頂がとんがったフォルムが独特です。
南浜湿原の最奥付近の風景。非常に幻想的で異国風の景色です。
木道がめぐらしてある湿原は「一歩で百年分の損失をする」と言われています。堆積するのにそれだけの歳月がかかっているんですね。
湿原には特有の植物が生息していて、ワタスゲの白が素朴だけれどどこか遠くの風景のなかにいるようでした。西洋の古い物語に出てくるような風景で、異国的なニュアンスがありました。
綿毛がかわいらしい。このワタスゲは群生していて西洋の絵画のように見えました。幻想的でロマンチック、異国情緒にあふれていてすてきな場所でした。
旅データ
- アクセス:オタトマリ沼から車で6分
- 設備:駐車場(狭)、トイレ
- URL:https://www.town.rishiri.hokkaido.jp/