天草市にある国指定重要文化財の祇園橋を見に行きました。熊本駅から天草本渡港までは電車とフェリーで約2時間。
港から徒歩10分くらいに小さなレンタルサイクルショップがあるので、そちらで自転車をレンタルして祇園橋へ出発です。
行ったのは4月の終わりでしたが、とても天気が良く、のんびりとした街並みを眺めながらのサイクリングは良い気分です。
港から大通りを5分ほど走ると、町山口川にさしかかり、川にかかる橋のたもとから右手を見ると、低い欄干の重厚な石造りの祇園橋が見えます。
橋を渡って右折すると、祇園橋に到着です。たもとには案内板や、記念碑、音声案内などがあり、祇園橋の由来を知ることができます。
1832年架築と言うことは、徳川11代将軍家斉の時代です。約200年近く前に架けられた橋が現存して、それに触れられるんです。そしてここは、天草。天草の歴史で外せないのは天草四郎の乱。
その戦の時、この橋の下を流れる川に戦死者の遺体が累々と積まれ、川の水が血で赤く染まったそうです。そんな歴史の移り変わりをここで見つめていて、そこをレンタルママチャリで訪れる私…なんて、歴史の流れが感じられます。
QRコードでwebで情報もゲットできます。
いざ、橋を渡ろうと案内板から顔を上げると、橋の向こうに小さな鳥居と社が見えます。祇園橋だけかと思っていたら、なんと神社でのんびりおまけ付き!得した気分です。
あとであそこも行ってみようとワクワクしながら、橋へ足を踏み出しましたが、一歩歩くたびに、橋の隙間から下を流れる川の水面が見えました!
しかも、欄干の高さも低いので、視界が広いのはよいのですが、足下までこんなに解放いいんですよ、橋を立てた方…。
さて、橋を渡りきると、目の前に急な階段と鳥居が見えます。ここは、祇園神社で祇園橋もここから名前がつけられたとのこと。境内にはこんな案内板がありました。
大きな御神木があったみたいです。
祇園橋、神社、御神木とまるで一枚の絵のような良いバランスで、ポストカードなどが欲しくなりますが、残念ながら無人の小さな神社ですので、ポストカードの代わりにお賽銭を入れて、旅の安全をお祈りしました。
あと、祇園橋を現存させてくれたお礼も忘れずに。
お参りが終わって、後ろを見ると、祇園橋の全景が上から見下ろせます。
これが200年前に架築されたとは思えないほど、傷みもなく今でも地元の人に利用されています。地元に密着した、ともすれば見落としてしまいそうな国指定重要文化財。
世界遺産に登録されているような、有名で大きく派手な物もよいですが、地元に密着し、今も現役でそこにある「会えるアイドル」ならぬ、「触れられる文化財」はクセになりそう。だって、なんたって、入場料も無料ですから!