天草市本渡の高台にある天草キリシタン館。ここでは日本のキリスト教の歴史を見ることができます。天草の歴史と日本のキリスト教の歴史は切り離すことができないほど密接な関係があります。
2016年は残念ながら世界遺産にはなれませんでしたが、今後、世界遺産になるときっと混んでしまうだろうということで、一足先に天草へ行ってきました。
天草キリシタン館は、本渡の中でも高台にあり、周囲を複数の史跡を含んだ公園として整備されているので、まとめて観光するにはおすすめのスポットです。
まずは天草キリシタン館へ。
入り口エスカレーター手前にある街灯の上に十字架のモチーフがあしらわれていました。
エスカレーターを上がると天草四郎の銅像があります。
中は撮影禁止でしたが、天草四郎の陣中旗や隠れキリシタンの人々が、幕府に見つからないように日用品の中に隠したキリストやマリア像、島原の乱を含む天草・キリスト教の年表など、さまざまな物が展示されていました。
展示スペースはコンパクトで30分もあれば見学できますが、入ってすぐのスペースで20分くらいの映像が流れており、天草とキリスト教の歴史の概要を理解できるので、これを観てから展示物を見ることをおすすめします。
天草キリシタン館の見学を終えたら、外にある「殉教戦千人塚」と「城山公園キリシタン墓地」を見に行きました。
こちらは「殉教戦千人塚」です。
半円形の石塚にきれいに苔のような物が張り付いた慰霊碑のようなものです。島原の乱では本渡も戦地と化し、天草四郎軍、幕府軍共に大勢の人が亡くなりました。
その時、天草各地に葬られていたものを集め、四郎軍、幕府軍の差別なく、ここに合祀したものです。
つづいて、「城山公園キリシタン墓地」です。
ここは五和町のあちこちに点在していた墓石を集めて作られた墓地です。墓地と言いますが、芝生が敷き詰められ、白い十字架が立っているので、いわゆる日本風のお墓よりだいぶ明るい雰囲気があります。
その奥には墓地を優しく見守るようなキリストの像が建てられており、ここだけ見ていると日本とは思えない雰囲気です。
ここでは複数の史跡をまとめて見られるのですが、この高台自体がもう1つの史跡となっています。それは本渡城です。
防衛の目的からお城は高台に作られることが多く、ここ天草も例外ではありません。本渡城はキリシタン大名天草氏が築城しましたが、その築城年は不明です。
島原の乱ではここにたくさんのキリシタンの人々が立てこもり、最後まで戦ったと言われています。
敷地内には教会もあったと言われていますが、この高台にあったのは事実ですが、高台にどのようにどんな建物があったのかというのは今でも諸説あるようです。
そんなまだまだ謎に包まれている天草・キリスト教の歴史については、早く世界遺産に認定され、より大勢の人に認知され、研究が進むことを楽しみにしています。
熊本地震では震源地から離れていたため、そこまで大きな影響がなかったと聞いていますが、それでも被災し、苦労をされている方もいるかと思います。1日も早い復興をお祈りしています。
旅データ
- 入場料:一般300円
- 営業時間:8:30~18:00(最終入館:17:30)
- アクセス: 本渡バスセンターからタクシーで約10分
- URL:https://www.city.amakusa.kumamoto.jp/kirishitan/